「ゲームを作りたい!!」
そう思ったのはいいけれど実際どうすればいいのかゲームの作り方がさっぱりわからない、という人は多いんじゃないでしょうか。
この記事ではゲーム開発を始めたい入門者や初心者の方のためにゲームを作り始める前にまず考えるべきことを書いてみました。
目次
公開方法と開発環境について考える
現在は作ったゲームを公開する方法がいくつかあります。大抵の人はスマホアプリがまず最初に頭に浮かぶと思いますがパソコン専用だったりブラウザゲームとしても公開できます。ただし公開の仕方によってはお金がかかることもあるのでそれも考慮に入れましょう(費用のことは次に書いてあります)。
それと同時に開発環境(ゲームエンジンや制作ソフト)も選びます。ゲームエンジンはゲームの基本プログラムの塊のようなものです。ただし開発環境によってできること出来ないことがあったり公開先が限定されたりします。
開発環境と公開先は作りたいゲームに合わせて選ぶのが良いでしょう。2Dゲームしか作らないなら2Dに特化した環境が良いし、プログラムを全くやりたくない(逆にすごくやりたい)ならできるだけ適した環境を選ぶ方が良いでしょう。
ということでいくつかの公開方法と開発環境を考えてみましょう。
アナログゲーム
そもそもゲームはテレビゲームやスマホゲームだけではなくカードゲームやテーブルゲーム、ボードゲームなどアナログなゲームもたくさんあります。将棋や囲碁だってゲームです。サッカーや野球もゲームです。
「ゲームが作りたい」という大雑把な感じならデジタルなゲームだけにこだわらずいろんなジャンルを考えてみるのも良いと思います。有名ゲームプランナーの中にはゲームプランナー志望の学生にアナログゲーム制作をすすめる方もいらっしゃいます。
特に「ゲームは作りたいがプログラミングはやりたくない」という方はアナログゲームを作ってみるのが良いと思います。 カードゲームやボードゲームでもルールを作って遊ぶのは同じです。デジタルゲームと違うのはそのルールをプログラムで動かすかどうかくらいです。
もちろんデジタルゲームでは現実的に不可能なことも作ることができますが、しかし逆に実際に物を切ったり書いたりしてアナログゲームを作るのはデジタルゲーム制作にはない楽しさだと思います。
「とにかくなんでもいいからゲーム作りたいんだよ!!」という方はまずアナログゲーム制作を試してみることをおすすめします。
ボードゲームの作り方の良い記事があったのではっておきますね↓
プログラミングはしたくないがデジタルが良い
「プログラムは嫌だけどデジタルが良いの!!」という方にはゲーム制作ソフトというものがあります。 ゲーム制作ソフトを使えばほとんどプログラムをすることなくデジタルゲームを作ることができます。
ゲーム制作ソフトはとても便利ですが有料のものがほとんどです。
ツクール
「ツクール」は株式会社KADOKAWAが販売しているソフトです。ツクールはRPG、アクションゲーム、ライトノベルなどジャンルごとに特化されたゲーム制作ソフトが販売されています。
特にRPGツクールはかなり歴史が長く昔から様々な機種で販売されています。
作りたいゲームがRPG、アクション、ノベルのどれかに決まっているならまず間違いなくツクールが一番早いでしょう。
有料ですがゲーム制作ソフトでは利用者が一番多く情報も得やすいと思います。
Clickteam Fusion 2.5
Clickteam Fusion 2.5(CF2.5)は2Dゲーム用の制作ソフトです。
プログラミングを使わずにオブジェクト(キャラなど)を配置してコマンドを組み合わせて自由にゲームを作ることができるようです。
国内の個人スマホアプリ開発者にも利用者がいます。
こちら(http://prester.org/cf2.5/)にかなり詳しい解説があります。
GameMakerStudio
GameMakerStudioは2Dゲームに特化したゲーム制作ソフトです。
ゲームはドラッグ&ドロップという機能でプログラミングを使わずに開発できるそうです。またGMLという専用言語でプログラムでも開発できるようです。
ゲーム制作に必要な機能(グラフィックツール、マップ作成機能など)も一緒に入っています。
海外ではunityに次いで人気のゲーム制作ツールで、あの「undertale」もGameMakerStudioで作られているそうです。
利用はライセンス形式で目的によって料金も違います。他のゲーム制作ソフトより割高ですがその分機能が圧倒的なので本格志向の方向けです。ちょっと初心者には敷居が高そうです。
また日本語での利用者が少なく解説サイトも少ないのがデメリットです(公式サイトも日本語対応していない(涙))。
無料のゲーム制作ソフト
「ティラノスクリプト」や「ウルフRPGエディター」などが有名なようです。
有料ソフトの方が間違いなく高機能ではあると思いますが、「初めてだからお金は使いたくない」という初心者の方は無料のソフトを調べてみると良いでしょう。
絶対スマホアプリ!ならunity
「プログラムも必要ならやる!!」という気持ちがあって「作るなら絶対アプリ化」と考えているならばunityを使いましょう。
今のスマホゲームのほとんどはunity製と言っても過言ではないくらい個人開発者はunityを使っています。筆者のtwitterで相互フォローになっているゲーム開発者のほとんどはunityを使っています。
unityではほとんどどんなゲームでも自由に作ることができます。プログラミング無しでもゲームは作れるようですが本当に「何でも作れる」ようになるためにはプログラミングが必要になります。
unityが人気なのは高機能なこともありますがやはり「無料」で使えることが一番大きいと思います。
ただ個人的には「なんとなくゲームが作りたい」くらいの気持ちだと高機能すぎて操作を覚えられず挫折する可能性が高いんじゃないかと思います。
無料ですが志が高くないと難しいと思います。
ブラウザゲームという穴場
インターネットのサイトを閲覧するブラウザ(chromeとかsafariとか今このページ見てるソフトね)の上で動くゲームをブラウザゲームと言います。筆者が作ってるゲームもこのブラウザゲームです。
ブラウザゲームの一番良いところはPC・スマホ関係なくブラウザの上で遊べることです。そして自分のサイトがあればどんなゲームでも公開できることです(アプリストアのような審査なんてありません)。
しかし残念ながらブラウザゲームに関して「これ!」という人気開発環境がありません。unityでもブラウザゲームは作れますがスマホでの動作は保証されていません。
とはいえ、個人的にはプログラミングを学んでみたい方にはブラウザゲームはおすすめです。ブラウザゲーム開発で主に使われるJavaScriptという言語の使い方を覚えるとゲームだけでなくウェブサイトやインターネット関係のプログラムもできるようになるからです。将来幅広いことができるようになりたいと考えているならJavaScriptでのゲーム開発もありだと思いますよ。
またブラウザゲームの公開には自分のサイトが必要になるので(投稿サイトに投稿するなら必要ないですが)サイトをカスタマイズする方法も一緒に覚えたりすると楽しいです。
ブラウザゲームの開発について興味がある方はこちらに(ブラウザゲームが作れるゲームエンジン一覧)ゲームエンジンの紹介記事を書いてあるので良かったら読んでみてください。
個人的にはブラウザゲームが一押しです!(自分がやってるからね)
※ブラウザゲームの作り方の記事書きました ▷ JavaScriptでブラウザゲームを作ろう!
作りたいゲームのイメージがある?
ゲーム制作においてどんなゲームを作りたいかというイメージがすべてです。
自分が何を作りたいかによって必要な環境やツールが変わってきたり学ぶべきことが変わってきたりします。
まずは自分がどんなゲームを作りたいのかはっきりイメージしましょう。
現実的はきびしいのさ
作りたいイメージを膨らませるのは大事だけどそれを作れるかどうかを考えることも大事です。
正直、初心者には市販のゲームのようなものは作れません。無理です。
「イメージしろと言ったのに無理とかふざけんな!!」
って感じですが、本当に無理です。
ただね、そのイメージはこれから学んでいくゲーム制作のゴールです。
最初からすごいRPGやアクションゲームは作れませんがそこを目指して頑張ればいつかきっと作れます。
イメージを切り取ろう
さっき考えたゴールとなるイメージから一部分だけを切り取って小さなゲームを考えてみましょう。
最初は小さなゲームから作っていくことをおすすめします。
どの環境で作るにしても最初は覚えることが多すぎてゲームっぽいものを作るだけでも大変です。小さなゴールから始めて少しずつ大きくしていきましょう。
費用を考えておこう
ゲーム制作を始める前に費用のことも考えておきましょう。
もしあなたが学生ならできるだけお金はかけたくないと考えていると思います。だけど世の中なんでもお金がかかります。ゲーム開発の勉強の本を買うのにだってお金が必要です。
だからお金のことを最初に考えておきましょう。
ゲームエンジンや開発ソフト
上記でも少し触れましたがゲームエンジンや開発ソフトは無料のものもあれば有料のものもあります。作りたいゲームによって向き不向きもあったりします。
「みんなが使ってるから・人気があるから」だけで選ぶのは良くないです。
作りたいもの・やりたいことを考えてそのために一番有利なものを選びましょう。
スマホアプリ公開はタダじゃない
多くの方がスマホアプリを考えているかと思いますがアプリストアに公開するのは無料ではありません。
特にアップルストアは毎年1万円超の金額を支払わなければいけません。
さらにiPhoneアプリを作るにはappleのパソコンが不可欠なため場合によってはパソコンの購入まで必要になります。
実はゲームアプリの公開は初心者にとっては支出が多くかなり厳しい世界だったりします。
ゲームアプリは稼げるの?
費用がかかっても稼げるなら問題ないでしょ?なんて思ってませんか?
残念ながら世の中そんなに甘くはないです。正直ゲーム制作初心者ではほとんど稼げないと思います(初心者じゃなくてもかなり厳しいです)。
これはゲーム開発の技術だけの話ではなくて、アプリがストアで上位に表示されやすくするためのキーワード選びや、ユーザーの興味を惹くようなストアの掲載内容の工夫などもしないといけないからです。 また広告の入れやすいゲーム内容かどうかなんかも影響します。
さらに現在スマホゲーム市場はレッドオーシャンと呼ばれるほどゲームが溢れかえっていて初心者のゲームが注目を浴びることはまずないでしょう。収益どころかダウンロードすらほとんどされない可能性が高いです。
初心者のうちはゲーム開発の経験値を積むことだけを考えて収益についてはあまり考えないほうが精神的にやられずに済むと思います。
ちなみにもし稼ぐことが目的ならゲームアプリよりツールアプリの方が稼げると思います。ツールアプリなら気に入られると繰り返し使用されるため広告収入が安定して入る可能性があります。面白ツールアプリなんかを狙った方が稼げるかもしれません。
費用がかからない公開方法
一番費用がかからないのはゲーム投稿サイトに公開する方法です。
ふりーむ!やフリーゲーム夢現を使えばPCゲームまたはブラウザゲームとしてほとんどのゲームエンジンで開発したゲームを公開できます。
ただし公開は無料でできますが収益もありません。経験のためと思って割り切るしかないですね。
自分のサイトを作って公開する方法もある
ブラウザゲームなら自分のサイトを作って公開するという方法もあります。
レンタルサーバーなどの費用が掛かりますが自分のサイトならやりたい放題できます。
Googleアドセンスを使えばサイト内に広告を貼れるので収益も得られます。ただし、サイトを作っても人が検索で見つけて遊びに来てくれるようにするのは超ウルトラスーパー難しいです(筆者の私も今これで苦しんでいます)。
とはいえ、サイトのカスタマイズなんかもできるようになると楽しいし、公開してるゲームが増えてくるのも自分の頑張りが可視化されて良いですよ。個人的におすすめです。
出来ないことはフリー素材を使おう
グループで作るならまだしも一人でゲームを作ろうと思うと「絵が描けない」「音楽が作れない」なんて問題が出てきたりすると思います。
しかし世の中には「フリー素材」という素晴らしいものが存在します。フリー素材とはその名の通り無料で使わせてくれる素材です。
フリー素材のほとんどは制作者の名前を記述する程度で使わせてくれます。製作者はマジ神です。
出来ないことは無理せずフリー素材を使いましょう。ただし使う前にちゃんと利用規約を読んで守りましょうね。
フリーの音楽素材については下の記事にまとめてあります。
ゲームを作り始めたらまず完成を目指そう
実際にゲームを作り始めてみると考えていたことが難しくてできなかったり、思ったほど面白くならなかったりしていろいろ変更したりしているうちに最初のイメージと違ってきたりすることがあります。また「こうしたら面白いんじゃない?」なんて何か思いついて新しいものを入れたくなったりもします。
しかしそんなことをしていると最初のイメージからどんどんブレてきて何を作ってるのかわからなくなってきたりすることがあります。そうなってくるといつまでたってもゲームが完成しない地獄にハマってしまいます。そしてそのうち作ってること自体が嫌になってきて投げ出してしまいます。
そうならないためにも最初はまず完成だけを目指して作りましょう。面白いかどうかはまだどうでもいいです。どんなゲームでもいいから一本作ったという実績を先に作りましょう。
DONE IS BETTER THAN PERFECT!(完璧より終わらせろ)
という有名な言葉があります。できるだけ余計なことをせずにまずは最初のイメージ通りの完成だけを目指して作りましょう。
まとめ
今回は初めてのゲーム制作で考えるべきことをまとめてみました。
ゲーム制作は簡単ではないです。途中で諦めてしまう人が多いのも事実です。しかし出来上がったときはすごく嬉しいです。
まずはシンプルに完成を目指して頑張ってみてください(‘ω’)ノ
良かったら私の作ったゲームを遊んでみてね(‘ω’)ノ